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素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術

  • 2007-07-31 (火) 17:24
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素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)
素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2004/11
  • 売上ランキング: 8605
  • おすすめ度 5.0

著者は人工知能、ロボット工学、画像工学の世界的権威である金出武雄教授です。内容は著者自身が研究活動の中で実行してきた発想法・思考法・表現法など。研究者/学生向けだけれど、概念は広く応用できるように書かれていました。
以下にレバレッジメモを公開します。

素人発想、玄人実行

アイディアを生んだり、独創技術を開発するためには、思考の飛躍が必要。
素人は「できるかどうか」より「こうあって欲しい」という希望が動機となり、それが「できるのだ」という積極的な態度に繋がる。
だいたいの場合、みんなの言うことの反対をしていればうまくいく。

創造は省略である(羽生善治)
複雑な現実をそのまま扱うのではなく、起こっていることを簡単、省略、抽象化して見ることが、科学や工学の基本である。
思い切って単純化できるかどうかが、よくできる人とそうでない人の差。
シンプルで抽象化した方向へ向かっていくと、ここから先は当たり前であるという、自明の壁がある。この崖っぷちぎりぎりに止まっている理論が、最も素晴らしい理論であり説明である。
思考の過程を省略し、最も適切に単純化するためには、見通しを持つことである。

「これができた」と言えば、それを聞いた人が「それを使えばあれができる」「それがうまくいくのなら自分はこうしよう」などと触発されるような研究をしろ。⇒メッセージのある研究
「何だか知らないが難しいことができてしまった」という研究は立派だが役に立たない。⇒メッセージがない
研究にキャッチフレーズを与える。

自分の中に「研究と応用のシナリオ」を持て。
それがいかに人や社会の役に立つかを示すシナリオを、言い方を含めて考えておく。
役に立たない研究が高級だというのは間違い。本来、基礎研究ほど役に立つものはないはず。
⇒基礎研究は応用の範囲が広い

世の中の全ての問題を一般的に解くのは不可能。⇒「なんでもできる」はありえない
非常に役に立つ、小さいが焦点の定まった研究こそ重要。
問題は、その問題を定義できたら、その60%くらいは解けている。

KISS(Keep It Simple, Stupid)アプローチ
失敗するだろうという方法でも、最後までやれば、失敗のパターンがわかる。
技法にこだわらず、問題を定義されたままに解いた方がいいことが多い。⇒富豪的プログラミング

知的体力 - 同じことを考え続けたり、一つのことをいろいろな方向から考えても飽きのこない力。
自分が問題そのものになれ。
1.イメージを描く…その問題の生まれる状況を思い、こんな場合にはこんな答えが出ればいいなと考える。
2.足場を組む…例題を作る。最初は答えがすぐわかるような簡単なものから徐々に。
3.足場を高く…ちょっとしたプログラムを組んでみたりしていろいろためす。

アイディアは人に話して育てる。
何もないところから突然考えるということはなかなかできない。自分がいいと思うことは、他人も考えている場合が多い。全く誰も考えなかったというアイディアは、普通ろくなことはない。
ほとんどの創造は、誰かの真似に付加価値をつけたもの。
独創、創造は無から有を生み出す魔法ではない。

プレゼンテーション技法

前置きなしに話す。
研究の必要性や従来技術の長短比較などは、知っている人は知っているし、知らない人にはわからない。⇒ほとんどの聴衆には面白くない
聴衆の一番関心のある結論から話をはじめ、途中どこで終わってもよい順序にする。
⇒「用意したスライドを逆に使え」
スライドを一枚だけしか使えないとしたらどれを使うか、二枚なら、三枚なら・・・

背景は良い結果があって初めて意味がある。背景の話はあとからでいい。
正確であれば、精密である必要はない。正確≠精密
全体を大まかに話すのではなく、不要な部分を取り除き、正確な話をするのに必要な部分だけを丁寧に話す。

相手にイメージを喚起させる。
わかりやすく理解させることと、話の内容のレベルを下げることは違う。
わからせるためには、興味、関心をもたせ、本質を述べることが大切だが、そのためにはやさしい例を出せばいい。
自分の言いたいこと、説明したいことがなければ解けない、最も簡単な問題を作り出す。
解けないことを示しておいて、自分の理屈が「ここで効いているでしょ」と言えれば最高。

発表はあまり準備しないほうがいい。
とりあえず大きな声で。⇒大きな声は話者の自身として伝わる
プレゼン資料は一目で内容がわからないように作る。
資料だけで言いたいことがわかると、聴衆は勝手なことを考え始める。
プレゼン資料は、あくまで補助資料。

文章法

一つの論文には、一つのことを書け。
タイトルを見ただけでその論文の言いたいことが100%出ているのが理想。
タイトルをつけるには、その論文で言いたいことを全部書き出してみるとよい。
 問題や目標の範囲を限る言葉…「自動運転における」「カラー画像を」「顔を認識する」
 方法を指定する言葉…「因子分解法による」「レーザーを用いた」
 結果や能力の特徴…「一秒間に十回できる」「暗くても見える」
必要最小限の言葉を選び、全体として並びの良い一つのタイトルにする。

章の目次から内容が想像できるかどうか。
各章内の段落ごとに、最初の文章だけを拾い読みしてみて、内容が通っているかどうか。
「一ユニットに一トピック」が守られているかどうか。
「この論文で言いたいことはこれです」と一つしか言えないように構成する。

論文にも「起承転結」が必要。⇒推理小説が理想
起…「こういう研究がしたい」「結果が出れば面白いよ」ということを提示。読む人の好奇心を誘う。
承…研究課題の設定であり、仮定。どの部分に問題を限るか、どういう仮定をおいて問題を解こうとしているか。キーとなるアイディアと新しさ。
転…キーアイディアを少しずつ出し、それがどう効いてどう結果を生み出したかをだんだんわからせる。
結…一番重要な結果をバーンと一発で出す。その結果がなぜ、どのくらい良いのかの理由や比較が追う。研究の今後について想起させる。

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