読書メモ
「話せばわかる」は大嘘 ← これはみんな経験的に知ってる
バカの壁=自分が知りたくないことについて、自主的に情報を遮断してしまっている状態
本人は「わかっている」つもりになっているので、説明しても現実のこととして捉えようとしない
たとえば男子大学生と女子大学生に、出産に関するビデオを見せたときの反応の違い。
女子大生は自分の身に置き換えたりして様々に視点を移動させながら情報を咀嚼するが、
男子大学生のほとんどは「ああそうねー。でもこういうの中学校でも見せられたし今更ねー」みたいな。
単純化すると「知ってるからもういいじゃーん」「おめえバカじゃね?ゆとり乙www」ということ。
「わかっている」とは、雑学がたくさんあるような状態とは全く別物。知識 ≠ 雑学
これって要は「無知の知」だよね。ちょっと今更感は否めない。
脳内の一次式
x:入力、y:出力、a:係数とすると、脳内は y=ax で表せる
人によって、対象によって、aの値が違う
a=0は何を言っても無駄な状態
a=無限は宗教などの原理主義と考えられる
万物は流転するが情報は不変
学問というのは、生きているもの、万物流転するものをいかに情報という不変のものに変えるかという作業
↑この節は好き。はっとした。
「癌になって、あと半年の命だと言われたら、そこに咲いている桜が今までと違って見えるだろう。
知るということは、そういうことだ」
所感
さすがベストセラー、といった感じ。大量に売れたので古本屋で百円で投げ売られていて、時代を感じさせます。
著者の養老孟司氏は東京大学名誉教授。三分の一は「バカの壁という現象」について。次の三分の一は「バカの壁が発生する原理についての脳科学的アプローチからの検討」。残りは「東大生の質が低下していることに対する養老氏の愚痴」。この愚痴さえなければ…というのが正直な感想。「最近の東大生はこんなこともできんのだ」と言うばかりで、解決策の提示も何もなく投げっぱなし。うーん。後半の内容の薄さが、ちょっときびしい。
思い切り速度を上げて必要なところだけ拾い読みすれば、良書。
ただしここまで売れた(売れてしまった)のは、なんだかなあ。結局は広告か、という思いが残る。
「バカの壁」というネーミング自体が、エンタテイメント的なキャッチーさには優れていたものの、完全にひとり歩きしてしまっていた感。これだとその壁があるのは「バカ」であり、その壁は「バカ」にしかないという解釈になってしまいかねない。もちろんそれは違うわけで、むしろ誰もが持ってるこの落とし穴を自覚し、意識して向上に努めよとそういうことだと思うのだが…。
やはり「無知の知」という言葉に集約される。昔の人はうまいこと言うもんだ。
- バカの壁 (新潮新書)
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- 発売元: 新潮社
- 価格: ¥ 714
- 発売日: 2003/04/10
- 売上ランキング: 450
- おすすめ度
